聾者・難聴者にむけた音環境をどう考えるべきか。

まず、知ってもらいたいことがあります。

難聴には伝音性難聴と感音性難聴があるということです。

これらの違いは、聴神経が生きているかどうかです。
伝音性の場合、聴神経は聴者と変わりないので、補聴器等で音を増幅させれば、普通に聞き取れるようになることが多いものです。
感音性の場合、聴神経そのものがやられています。だから、聴神経にいくら音を送っても、脳には伝わりにくいのです。また、やっと聞こえる音量が音の高さによって違うというのも、感音性の特徴です。例えば、僕は感音性ですが、低い声は耳元での大声で僕はやっと聞こえるのだけれども、高い声は耳元での大声でも僕は聞こえません。
なお、老人性難聴は感音性難聴に近いと言われています。

違いがあることを住宅設計等で意識すべきかというと、音楽好きな聾者・難聴者にむけた住宅を除けば、それほど意識する必要はないと僕は考えています。違いは考慮しなくていいけれども、聞こえないことを前提とした設計はすべきだということを忘れないようにしたいものです。むしろ、違いを意識することが大事になってくるのは、音楽堂などの音環境を重視するものを設計する場合、あるいは、音環境をテーマとした研究を行う場合などに限られるでしょう。

最後に誤解のないように言っておきますが、聾者・難聴者みんなが、音を欲しがっているわけではありません。音に接しなくていいと考えている方もいれば、音を頼りにしようとする方もいます。大事なことは、音環境がどうだのこうだのではなく、人の価値観を認めることだと思います。

(※hiroさんの質問を受けて、このエントリーにまとめてみました。)