僕が聾学校に通っていたときの恩師は聴覚障害に関するスペシャリストで、教育者でありながら医学博士も取得している。その先生は健常者だが、今は老化に伴い難聴になっている。
その先生が老化による難聴を経験し始めたとき、大きなショックを受けたそうだ。今までに先生が研究で示してきたことや唱えてきたことと現実との間にある大きなギャップを感じたんじゃないかと思う。健常者が障害者を専門にするというのは、そういうことだということを頭に入れておかなきゃいけないし、そういう覚悟を持っていって欲しい。

ところで、障害者に関する知識を広めるものは何かというと、建築ではやはり本だと思う。ユニバーサルデザインに関する本をチェックしてみると、健常者が書いたものと障害者が書いたものとでは決定的な違いがある。健常者が書いたものはマニュアル的だが、障害者が書いたものは考えさせるものとなっている。つまり、障害者といっても1人1人は違うんだということを障害者は理解しているゆえ、そういう本になっているんだと思う。

このことからも、これから障害者に関する専門家になろうとしている人のみんなには重大性を理解して欲しい。