難波和彦+界工作舎の箱の家シリーズは、現時点で108まであるようだ。箱の家といえば、一室空間、高性能、コストパフォーマンスや立体最小限住居などで知られる。今回は、「空間構成の標準化」に注目した。箱の家では「空間構成の標準化」が追求されているゆえ、生活にこだわりを持つ人には不向きな家だそうだ。「空間構成の標準化」というのは、大雑把に言えば、どの家も同じようなものだと思っていい。(ただし、ハウスメーカーの住宅などとは違う。)

聾者にむけた住宅についても、ある程度「空間構成の標準化」が容易だと考える。例えば、車椅子利用者には、機敏に動ける人もいるし、モーターで動かす人もいるし、押してもらう人もいる。だから、車椅子利用者にむけた住宅は、人それぞれに合わせるのが一番だろう。
聾者の場合は、生活においては情報をどう獲得するかが大きな問題となる。肉体的には重複障害を除けば、一般と変わりない。情報を獲得する方法はある程度絞れてくる。従って、障害者という枠の中でも、聾者にむけた住宅については「空間構成の標準化」が容易となる。クライアント1人1人に合わせるか標準化か、どちらを選ぶかはクライアントや設計者の考え・思想次第だろう。